現代文の正攻法の基礎が詰まったものであり、人によって差が出る「出口」系の本よりは安定した成績の伸びが期待できる入試現代文対策の決定版と言っていいだろう。
本書の特徴としては、読み方に対する姿勢のポイントを的確に提示していること、そして詳しい過不足のない解説である。更に個人的に付け加えるのであれば、浅田彰や村上春樹、安部公房などといった、読書好きの人であれば思わず読みたくなってしまう材料を選んでいる点にもあると思う。ゆえに、読書好きであるけど、現代文の成績が安定しない方々には大いに推薦する。
一応の対策として、まずこの前に田村の「やさしく語る現代文」で一応の読み方を学び、本書でそれを定着させ、「現代文と格闘する」までやってしまえば入試現代文の力としては抜きに出るであろうと思う。その後は田村氏の現代文対策の本をするなり、Z会のものをするなりすると鬼に金棒だろう。
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